社会的損失
~アルコールの飲みすぎによる損失は年間4兆円以上!~

2008年の厚生労働省研究班の調査によると、日本の飲酒人口は、男性の83.1%、女性の60.9%で、合わせて7472万人です。では、どのくらいの人が飲みすぎているかというと……
スクリーニングテストAUDIT 8点以上(アルコールの危険な使用)を問題飲酒とすると、男性の22.8%、女性の3.8%が当てはまり、合わせて1353万人。ふだん飲酒するときの1日飲酒量が純アルコール60g(ビール換算中瓶3本)以上の人を「多量飲酒者」とすると、男性の12.0%、女性の3.1%で、合わせて766万人にのぼります。
飲みすぎはさまざまな病気や事故、職場では労働損失を引き起こします。研究班がこれを金額に換算したところ、社会的損失は年間に4兆1483億円! 酒税の3倍超です。飲みすぎは個人や家庭だけの問題ではなく、社会全体の問題でもあるのです。


飲酒やけがによる病気の治療費は膨大

イラスト:飲酒運転

アルコールは、依存症を引き起こすだけでなく、全身の臓器に害を及ぼし、外傷の原因にもなります。WHOによると、世界の主な健康関連リスク19項目のうち、アルコールは死亡への負荷が8番目に大きい健康リスク。死亡以外の有病や障害なども加味したDALY(障害調整生命年)に換算すると、3番目に大きな健康リスクになるといわれています。
日本では、アルコールは全DALYの男性の6.7%、女性の1.3%と推計されており、疾病への寄与率がとくに高いのは肝硬変、外傷、がん、精神神経障害などです。これらのデータを用いて、飲み過ぎによる病気やけがの治療は年間1兆226億円と推計されました。


労働や雇用の損失が社会を圧迫

イラスト:飲酒運転

飲みすぎによる労働・経済への影響は、治療費を大きく上回ります。飲酒や体調不良により生産性が低下する、病気休暇や死亡により労働力を失うなど、労働損失と雇用の喪失は年間推定3兆947億円にも上るのです。また、自動車事故・犯罪・社会保障によるその他の社会的損失は、年間約283億円。まさにWHOが言うように、「アルコールの有害な使用は、個人や社会の発展を危険にさらしている」のです。


飲酒問題の早期発見・介入がカギ

社会的損失を抑えるためには、飲酒問題の早期発見・介入が欠かせません。飲酒運転対策も含む職場でのメンタルヘルス対策はもちろん、救急医療や内科・外科での介入、節酒・禁酒指導など、早期に飲酒問題を発見し、治療に結びつけていくシステムやネットワークが求められています。


まとめ:ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)
http://www.ask.or.jp/