女性とアルコール依存症
~同じアルコール依存症でも、男性と女性では違いがあります。依存症になる早さや回復に向けた留意点などを紹介します。~

女性は体質的に、男性より少ない飲酒量・飲酒期間で依存症になりやすいことがわかっています。また、摂食障害を併発していたり、結婚生活や子育てといった人生変化のストレスで飲酒が進むケースが多く、周囲の理解を得にくく孤立しがちなのも特徴です。治療においても家庭生活との両立が求められ、男性より複雑なサポートが必要になることが少なくありません。社会の変化にともない女性のアルコール依存症者は年々増えており、入院・通院できる治療機関やサポートも少しずつ増えてきています。


女性はアルコールの害を受けやすい

女性は男性よりも小柄で、肝臓が小さく体内の血液量も少ないため、同じ量を飲んでもアルコールの血中濃度が高くなりがちです。脂肪組織が多く、女性ホルモンがアルコールの代謝を阻害するため、酔いやすくなるだけでなく、体内に長い時間アルコールが留まることで臓器も害を受けやすくなります。男性がアルコール依存症になるまでには飲酒が習慣化してから10~20年、女性の場合は半分の6~9年と言われています。また、1日あたりのアルコール摂取量が10g(グラスワインの場合1杯 350mlの缶チューハイの場合1/2杯)増えるごとに、乳がんのリスクが10%上昇するというデータもあります。


結婚・子育てなど人生の変化が影響

結婚・子育て:イラスト

女性はそのライフサイクルの中で、「いい子」「いい妻」「いい嫁」「いい母親」など、周囲や社会からさまざまな性役割を求められます。そのため女性のアルコール依存症には、アイデンティティ・クライシス(自我の危機)が深くからんでいると言われています。飲酒の背景には、生き方や自立の悩み、夫婦関係や嫁姑関係、子育て、介護、更年期障害、「空の巣症候群」など、人生の変化が関わっていることが少なくありません。摂食障害や自傷行為、パニック障害、薬物乱用などを併発していることも多くあります。


治療を続けるためには周囲の理解が欠かせない

周囲の家族:イラスト

回復には、治療機関や同じ悩みを持つ女性同士のグループなど、安心と共感ができる場で自分自身を取り戻していくことが力になります。けれども家事や子育て、介護など365日休みなしの仕事を抱えていると、なかなか治療に専念することができません。通院や自助グループのとき他の家族に役割を代わってもらったり、介護・福祉サービスを利用して負担を軽くするなど周囲の理解やサポートが必要です。どのようなサービスが利用できるかは、専門医療機関のソーシャルワーカーや地域の女性相談所、福祉事務所などで相談できます。


まとめ:ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)
http://www.ask.or.jp/

関連リンク

保健所管轄区域案内(厚生労働省ホームページ)
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/ bunya/kenkou_iryou/kenkou/hokenjo/index.html

全国の精神保健福祉センター一覧(厚生労働省ホームページ)
http://www.mhlw.go.jp/kokoro/ support/mhcenter.html