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お酒を飲まないと気分が沈むのは、アルコール依存症ではなくうつ病?

みんなの声

対象:みんなの声 回答者 5552名
回答期間:2015年10月~2016年01月

うつ病だと思う 29% 
どちらとも言えない 36% 
うつ病ではない 34% 

専門家からの回答

アルコール依存症とうつ病、どちらの場合も考えられます。アルコール依存症の人の多くが、病気の進行につれてうつ状態を悪化させます。一方で、うつ病の人が気分をよくしようと飲酒することを繰り返せば、うつ症状が悪化します。いずれにしても、飲酒はよくありません。では、両方の場合について説明しましょう。

少量の飲酒は気分をリラックスさせ陽気にさせる効果もあるので、飲むことを覚えたばかりの人は(アルコールが代謝できる体質であれば)、飲酒によって気分がアップします。けれども飲酒が習慣化するにつれて、脳がアルコールに慣れてしまい、気分をアップする効果も薄れます。依存症が進行すると、飲んでいないときには気分が落ちこみ、アルコールを摂取することでやっと「ふつうの気分」に……。

逆に、うつ病がベースにあって、アルコール問題が起きる場合もあります。落ちこみや不眠を解消するため飲酒し、お酒が手放せなくなってしまうパターンです。アルコールは抗うつ薬などの効果を低下させるだけでなく、精神科の薬を服用している状態でアルコールを飲み続けることは、思わぬ作用を引き起こして生命の危険があります。処方薬とアルコールの双方に依存してしまうリスクも高まります。うつ病の治療を受けている人にとって、飲酒はタブーです。

依存症によってうつ状態になったのか、うつ病によって飲酒問題が起きたのか、それは一定期間断酒しないとわからないことも多いのです。まずはアルコールの専門医を受診し、断酒をスタートすることが第一歩です。

本回答は依存関連問題の予防を専門とする特定非営利活動法人ASKにご協力いただき作成したものです。
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