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アルコールで脳が萎縮するって本当?

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対象:みんなの声 回答者 5519名
回答期間:2015年10月~現在

本当 90% 
どちらとも言えない 6% 
3% 

専門家からの回答

アルコールで脳が萎縮するのは本当です。「適量のアルコールでも海馬の萎縮引き起こす」という研究データがあります。
この研究では、英国内のMRI検査を受けた平均年齢43歳の男女550人を対象に、過去30年にわたるデータを解析して、1週間のアルコール摂取量と脳の変化との関連を調べています。
飲酒しない人と比べて、多量飲酒する人は5.8倍海馬が萎縮しやすくなっていました。また、適度に飲酒する人でも、3.4倍海馬の萎縮しやすくなっていることが明らかになりました。
(Topiwala A, et al.: BMJ 357: j2353, 2017)

また、英ロンドン大学ユニバーシティー・カレッジでの5000人以上の中年男性を対象にした研究でも、純アルコール36g以上飲む人は、老後の物忘れが最大6年早まるとの結果が出ています。脳を守るためにも、日頃からリスクの低い飲酒を目指しましょう。
(Sabia S, et al.: Neurology 82(4): 332-339, 2014)

なお、加齢による萎縮は脳全体に及ぶのに対し、飲酒で萎縮するのは主に脳の前頭葉と側頭葉で、記憶や想像力、判断力などを司る部位です。そして、断酒して数ヵ月くらいすると、徐々に回復していくと言われています。

本回答は依存関連問題の予防を専門とするASK(アルコール薬物問題全国市民協会)にご協力いただき作成したものです。
ASKホームページ:http://www.ask.or.jp/ ※外部サイトへ移動します。