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アルコール依存症になると必ず入院しなきゃいけない?

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対象:みんなの声 回答者 607名
回答期間:2015年7月~2015年10月、2019年10月~現在

しないといけないと思う 25% 
通院で良いと思う 24% 
どちらか選べると思う 51% 

専門家からの回答

必ずしも入院しなければいけないわけではありません。都市部などでは、入院設備のない精神科クリニックでも、アルコール依存症を専門に扱うところが多数あります。また病院でも、「まずは通院で治療してみて、無理だったら入院」といった選択も可能です。

通院と入院、それぞれのメリットとデメリットを大まかにまとめてみます。
*詳細は「アルコール依存症の治療」ページでも紹介しています。

●通院
メリットはなんといっても、入院に比べて敷居が低く治療が始めやすいことでしょう。日常生活を維持しながら通院することができ、状況によっては仕事を続けながらの通院も可能です。毎日の暮らしのどんなところに「再発の危険」があるかも、早いうちに気づくことができます。さらに、家族が本人の回復プロセスに最初から関われるのもメリットの一つです。

デメリットは、飲もうと思えばいつでも飲める環境にあるため、治療中断のリスクも高くなる点です。また、合併症が重篤だったり、離脱症状がひどい場合、生命の危険を避けるため、入院の方が適しています。医師の判断に従ってください。

●入院
メリットは、酒のない安全な環境でじっくりと治療に取り組める点です。医療機関によってプログラムが異なりますが、1~3ヵ月の入院が基本です。身体の合併症に対応するにも、入院の方が何かと安心です。病棟の仲間との連帯感はその後の回復の基礎にもなります。さらに家族にとっては、本人が入院している間、心身を休めてホッとすることができる、というのもメリットでしょう。

デメリットは、日常生活が入院によって途切れてしまう点です。仕事や家庭から離れなければならないのはもちろんですが、退院して再び日常に戻ったとき、飲酒の誘惑や家族との感覚のずれなどに直面するリスクがあります。これを防ぐためにも、退院後の生活の組み立てを入院中にしっかりやっておくことが大切です。

本回答は依存関連問題の予防を専門とするASK(アルコール薬物問題全国市民協会)にご協力いただき作成したものです。
ASKホームページ:http://www.ask.or.jp/ ※外部サイトへ移動します。

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