Doctor's Voice

理事長・院長 利田 周太 先生

医療法人社団利田会
周愛利田クリニック
理事長・院長 利田 周太

院長 秦 孝憲 先生

周愛巣鴨クリニック
院長 秦 孝憲

周愛利田クリニック 外観
  • 医療法人社団利田会
    周愛利田クリニック
  • 〒114-0016 東京都北区上中里3-6-13
  • TEL:03-3911-3050(代)
  • http://www.shuai-toshida.jp/
周愛巣鴨クリニック

周愛利田クリニックは、1984(昭和59)年に開院したアルコール依存症外来を専門とする精神科・心療内科クリニックです。精神科主治医、精神保健福祉士、看護師、臨床心理士などから成る多職種医療チームが、さまざまなケースに柔軟に対応しています。アルコールデイケア治療をはじめ、タイプ別に3つのデイケアを有し、閉鎖的空間での断酒ではなく、お酒のある日常環境下での飲酒を断つためのアプローチを重要視した治療に取り組んでいます。2004(平成16)年には、周愛巣鴨クリニック分院を開院。

メッセージ

――ホームページではアルコール依存症について詳しく説明されていますね。

利田先生

利田先生) 治療を行う上で、そもそもどんな疾病なのかを知ることが大切です。また、アルコール依存症をはじめとする各種依存症は否認の気持ちが働くため、まずは治療に繋がるためのきっかけとして、病気の説明を行っています。初期段階では自らの病気を認めるのが怖いと感じることも多いため、病気についての正しい知識を身につける必要があると考えています。

秦先生

秦先生) また、依存症治療にとって最も重要となるのがグループ療法。人と人の繋がりは、動機付けを深めてくれるからです。同じ病気で悩む仲間の存在は心の支えになります。家族や周囲の人たちの助言だけではなく、自らの意志で通院を継続するためにも、不安やストレス、焦燥感といった負の感情を一人で抱え込まずに表現することが大切なのです。批判されない場に身を置くことで、安心感や癒しを得られます。

――「デイ・ナイト・ケア」のプログラム内容が特徴的ですね。

利田先生) 当院では、我慢断酒は続かないと考えています。断酒に必要なのは、いかに楽しめるか。お酒以外にも人生には楽しいことがあると体感することが、通院をサポートしてくれるのです。「デイ・ナイト・ケア」では、専門医師による診療はもちろん、同じ病気や悩みを語り合うミーティングを中心に、音楽療法やスポーツ、文化活動といった多彩なプログラムを実施しています。それらの治療プログラムを通して、生活環境を整え、社会復帰を実現する回復のためのステップを見つけてもらえれば、と願っています。加えて、周愛利田クリニックでは、都内精神科診療所では唯一となる自前の厨房を設置しており、管理栄養士の指導のもと、プログラムの一環として1日3食の食事も提供しています。心からはもちろん、身体からの回復も治療には不可欠だからです。

――アルコール依存症治療における地域連携についてはどうお考えでしょうか。

利田先生) 依存症治療において、連携がないと外来は成り立ちません。毎日通院していても、その時間は短いもの。それぞれのペースや状態に応じて治療を共有するためにも、地域支援とネットワークが欠かせません。保健所や福祉センターといった各施設と協力しながら、モチベーションを維持するために寄り添います。

秦先生) 両院でさまざまな初診の患者さんがいらっしゃいます。それぞれの社会適応度に合わせて、個人の意志を尊重しながら、何ができるか?と寄り添う中で、当院以外のお力を借りることも重要だと考えています。

――先生方にとって、患者さんはどういう存在でしょうか。

利田先生) どの患者さんも印象に残っていますし、忘れられない人も少なくありません。彼らは、素面だととても良い人が多く、その付き合いは楽しいですね。お酒を止めて7、8年経つと人間性が磨かれます。「全てが感謝、全てが希望」といった気持ちが強くなるのです。仲間からの色紙を持ち歩いて、「仲間のために頑張る!」という姿に立派だなと感心しますし、そういう彼らと接していると、自分も癒される気がしています。

――アルコール依存症治療において、家族の存在をどうお考えですか。

利田先生、秦先生

利田先生) ご家族の果たす役割はとても大きいと思います。そのため、当院では家族会や家族カウンセリングを実施しており、家族のサポートも積極的に行っています。本人のためだと思っていても結果として手を貸しているような共依存が発生したり、巻き込まれて鬱病や神経症といった病に悩まされたり。知らず知らずのうちに振り回され、疲れ果ててしまうことも珍しくありません。だからこそ、ご家族にも気軽に悩みを相談し、苦しみを分かち合う場が必要なのです。

秦先生) 一人で溜め込む必要はありません。患者さん本人は、相談することが苦手なケースも多く、否認の気持ちも拭えないため、自ら助けを求めることが難しいことも。ご家族が説得やコントロールを試みても、互いに傷つくことも少なくありません。病への理解不足や叱責、強引な対応が、反って再飲酒への欲求を刺激してしまう可能性もあるため、ご家族が健全な自分を保ちながら背負っている荷物を減らして、正しい対処法を学ぶことで楽になってください。


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