Doctor's Voice

村島 善也先生

メンタルクリニック葛西
村島 善也 先生

  • 〒134-0083
  • 東京都江戸川区中葛西5-41-12 AT21ビル2階
  • TEL:03-3877-5771
メンタルクリニック葛西 外観

アルコール依存症だけに特化するのではなく、「依存症はすべておなじ」というスタンスのもと、患者さん並びにご家族のメンタルヘルスをサポートされております。別の症状ですでに来院されている患者さんの中に新たな依存症を見つけることに長け、早期発見、早期治療に定評があるクリニックです。

メッセージ

――どのようなスタンスでアルコール依存症の治療に当たられているのでしょうか。

「来る者は拒まず」が当クリニックのモットーです。そのため、予約不要、新規患者の制限もなく、一日100人ほどの方が来院されます。患者さん一人ひとりに寄り添い、何に困っているのかをとことん探ります。多くの患者さんが、とくにアルコール依存症の場合、後ろめたい気持ちや責められるのではないかという不安を抱いておられます。彼らがいくらお酒を飲んできても怒りませんし、ペナルティも科しません。ただ、「飲んだと言ってください」とお願いしています。私たちは患者さんにとって味方でなくてはいけません。共感を何より重要視し、メンタリティに合った指導を行うことで、患者さんは徐々に本当のことを話してくれるようになります。そのため、現在の再来院率は100%を維持しています。

――アルコール依存症の治療におけるポリシーを教えてください

紹介されたらすべて受け入れます。なぜなら、依存症の方にとって自らを拒否されることが一番堪えるからです。そして、なぜ飲むのか?――その原因を取り除くことが大切です。例えば、内科から紹介されて来られた30代女性のケースですと、γ-GTPの数値が4桁に達していて(正常値は成人男性で50以下、成人女性で32以下。100以下であれば節酒あるいは禁酒ですくに正常値にもどすことも可能)、不眠のため夜毎アルコールを摂取されているということでした。よくよく話を聞いてみると、眠れないのは不安障害があるからで、それは発達障害に起因していました。さらに掘り下げて話すうちに、家庭に問題があることがわかったのです。その問題への解決をアプローチすることで、お酒に頼らなくても眠れるようになり、一ヶ月で正常値に戻りました。

――患者さんにどのような接し方を心がけておられますか

患者さんは誰しも、飲みたくて飲んでいるわけではなく、飲まなくてはやっていけないから飲んでしまう。再飲酒をはじめとする失敗体験においても、一番辛いのはご本人なのです。また、飲んでしまう背景にある問題を、ご本人がきちんと認識できていない、もしくは話したくないという場合も少なくありません。問い詰めたり、怒ったりしてどうこうなるものではないのです。だからこそ、身体と心の両方から根気強く問題を探っていく必要があります。また、従来の治療方法に効果が見られず、原疾患の治療が上手くいかないときには合併症の可能性を考え、別の角度からの対応を試みます。そうすることで新たな問題が浮き上がってくるケースもあるので、広い視野で患者さんに向き合うようにしています。

――貴院ならではのことはありますか?

当クリニックでは、同じ日に似た症状の患者さんが来院されるように予約を調整しています。人間はある程度、近い距離感で接することができるコミュニティが必要だと考えるからです。これは、近隣にあまりいい自助グループがないということもあって、少しでも患者さん同士で繋がりができればという期待を抱いてのこと。それが功を奏し、「○○さんはいつ来るの?」「○○さんと同じ日がいいんだけど」といったお声も増え、自然とグループ化され、患者さん同士がケースワーカーになるという現象が生まれています。同じ悩みを相談し合えることで、失敗談から「自分だけじゃないんだ」と勇気をもらい、成功体験が励みとなって、社会復帰率も上ります。また、私自身が飲まないことを患者さんたちは知っているので、リアルな助言として熱心に耳を傾けてくれていますね。

――アルコール依存症に悩むご本人・ご家族にメッセージをお願いします。

村島 善也先生

繰り返しになりますが、大事なのはそれぞれの患者さんが抱えている問題を見逃さないこと。そして、その患者さん自身に寄り添いながら、問題解決に努めること。例えば、ストレスで飲酒量が増えるなら、そのストレスの原因がどこにあるのか見極めなければなりません。仕事が忙しいからかと思いきや、同棲している恋人のDVが原因という事例もあります。ご家族の病歴から、原因が別に見つかることも。まずは、責めたり怒ったりするのではなく、話を聞くことが肝心です。そして、理解することが治療への第一歩となります。当クリニックでは、診察中に涙を流される女性が少なくないのですが、それは少し心が開いたサイン。自分の悩みや不安を言葉にして吐き出せる場を一緒に作っていきましょう。



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