Doctor's Voice

院長 山名 純一

服部病院
院長 山名 純一

服部病院 外観

静岡県で最初にアルコール依存症の専門的治療を始めた医院として知られ、心理技術者や回復者カウンセラーの面接による問題解決から地域の自助グループまで、選択度の高い治療に取り組んでおられます。アルコール・薬物・ギャンブルといった依存症全般を、取り扱い、「外来・通院」「薬物療法」「自助グループ」を三本柱に多くの回復者を送り出す医院です。アクセスの良さもあって岐阜や愛知、東京からも多くの患者さんが訪れています。

メッセージ

—アルコール依存症の治療に対するポリシーを教えてください。

アルコール依存症は病気です。そのため、「回復するものなんだよ」とメッセージを発信し続け、家族教育をしっかりと行うようにしています。否認を解くためのアプローチを怠らず、抗酒薬や自助グループについてなど13のプログラムを用意しています。近年は肝臓の治療が進歩し、内科の医師がアルコール依存症に詳しくなり、随分と治療の間口も広がりました。だからこそ、正しい知識を学んでもらうことが第一歩だと考えています。

—治療の中で、最も大切にされていることは何ですか?

メンタルケアですね。身体を動かすことはもちろん大事ですが、それと同時に、心を動かすことも不可欠だと思うからです。また、生きがいは仕事以外で持たないといけないといったモットーも伝えるようにしています。
私自身、ゴルフやテニス、スキーといったスポーツが好きですが、それよりも現在はイングリッシュローズの育成に夢中です。息子が妻に贈った鉢に花が咲いたのを見たとき、本当に感動しました。そこから、自分でも育ててみたくなりました。手がかかるがゆえに、見事に開花してくれると喜びもひとしおです。そういった経験からも、心が動かされるものがあることの大切さを痛感しています。

—初診から入院への流れを教えてください。

まずは、院内例会に出席していただきます。そこから自助グループへ参加してもらい、薬での治療を行います。それでも飲酒をしてしまったら、即入院です。院内ではアルコール教育を受けてもらい、断酒会にはご家族にも参加していただきます。
現在、20回以上入退院を繰り返して断酒している人もいます。過去には、6~7回入院した人がこっそりお酒を持ち込んで酒盛りをしたことがありました。強制退院になったのをきっかけに断酒し、10年経ったいまでは断酒会の会長にまでなってます。また、末期の肝硬変を患っていた男性が、奥さんの並々ならぬ努力で回復した例もあります。ターニングポイントがどこにあるかは分からないのが本音です。だからこそ、もう駄目だろうと思っていた人たちが回復したのを見届けたときは、うれしいですね。

—ご家族の方へのメッセージをお願いします。

院長 山名 純一

アルコール依存症は治癒はしないけれど、回復する病気です。と同時に、ご家族にも心の傷が残る病気。だからこそ、一緒に回復していきましょう。
いまだに偏見がなくならない病気です。中毒と依存症は違います。だからこそ、毎週行われている家族会に加えて、医師が参加する家族会も定期的に開催し、面談も行っています。病気だと思っていない、病院へ行かない人たちには、まずは断酒会へ足を運ぶことをお勧めしています。断酒会へ行きさえすれば、彼らが病院へと連れて来てくれます。意外と世話焼きな人が多いんですよ。自分たちの経験から、ついあれこれ助言したくなるんでしょうね。医師は直接患者さんを病院へ連れてくることはできません。ですので、断酒会の存在は回復に欠かせないのです。



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